10月に放映されたNHKの番組で、詩人・加島祥造さん90歳に、東京大学名誉教授の姜尚中先生が会いに行き、「人生の晩年をどう生きるか」を考えていく番組を拝見しました。
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63歳のとき、横浜国立大学の英文学教授だった加島祥造さんは、その素晴しい地位にも関わらず、なぜか心が満たされず、逆に息苦しさを感じて生きていました。
そこで取られた行動が、家族と大学教授の職を捨て、社会から逃亡。信州・伊那谷での一人生活を始めるというものでした。
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自分に振り替えって考えたとき、このような行動を取る事ができるでしょうか・・・
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嫁はどうなるのか?子供はどうなるのか?親戚や仕事仲間や友達はどう感じるでしょうか。
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加島さんはどんな思いで、このような行動に至ったのでしょうか。
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自分の人生の晩年について、真剣に考え尽くした結果とられた行動だったんでしょうか。
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伊那谷の自然の中で、詩を書いたり絵を描いたり、それまでとは全く違う生活をしている中で、「求めない」「受け入れる」という考えをもたれるようになります。
求めない・・・すると 心が静かになる。
受け入れる・・・すると 優しい気持ちに還る。
社会から1歩離れた中で、強く感じられるようになったこの想い。
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これは、きっと加島さん個人としてではなく、「人間」として、「人間という動物」として大切な考えなんじゃないかと、テレビを見ながら私も感じました。
加島さん、姜先生はそれぞれ大切な人の「死」を体験され、より「死」についての考えを深く胸に刻んでおられるように思います。
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私たちにとっても、「死」はすぐ傍にあるもの。それにも関わらず、「生きる」ことについて焦点があたりやすく、「死」について真剣に向き合う機会は少ないです。
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「死」について、考える時間が増えるほど、「生」についての意味も深く輝くものになるんだと改めて感じさせられました。
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皆様も、自分、ご家族、友達、色んな人の「死」を考える事で、自分自身、人間の「生」について深く考える機会をもたれてみてはいかがでしょうか?
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今回は、「死」についてのテーマをもとにブログ更新させて頂きました。
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最近は、姜尚中先生の著書をよく読ませて頂いております。
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前杉 祐樹